以前、こちらでも記事にしましたがジブリ映画「千と千尋の神隠し」で千尋のお父さんがおいしそうに食べていた謎の食材・・・「シーラカンスの胃袋」ではないかと言われています。
改めて色々と調べてみると、「シーラカンスの胃袋」以外にも色々な説が飛び交っていますよね。 今回は、もう少し詳しくその真相を見て行きたいと思います。
シーラカンスの胃袋は実際に料理としてあるのか?
まずは純粋に「シーラカンスの胃袋」は料理として存在するのか?でしょうか。
「シーラカンスの胃袋 料理」 でググってみましたが、ヒットしませんでした(^^;
台湾料理ではないかという声もあります。
こちらのブログ「TABIZINE」ではシーラカンス料理を紹介されています。
台湾の高雄には、シーラカンスとおぼしき魚を食べさせてくれる店があるそうなんです。
ちなみにシーラカンスは「腔棘鱼」と書くようですが、看板には「野生深海大石斑」と書いてあります。➡どうやらこの看板は「天然物の深海のハタ」という意味で、ハタは台湾では普通に食されている魚のことのようです。
そして、こちらのお店で食べられるのがこの料理↓
『料理はスープのみで、肉は白身で「鱈」のような味がしました。』とあります。
シーラカンス料理とおぼしきものらしいのですが、看板から判断すると「ハタ料理」なんでしょうか?
シーラカンスの胃袋➡台湾料理肉圓(バーワン)説
また、台湾料理の肉圓(バーワン)ではないかという説も良く聞きますね。
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肉圓(バーワン)とは、豚肉とタケノコを混ぜた中身をさつまいものでんぷんで包んで蒸した料理で、薬味・ソース・タレなどをかけて食すそうです。 確かに外見は似ている感じがしますよね(^^;
ただ、バーワンはプルンとした外見で、縦に線は入っていません。 そうするとバーワン説も違うのかということに・・・
アニメ監督の米林さんが正体について言及
お父さんが食べてるブヨブヨした食べ物はシーラカンスの胃袋と絵コンテに書いてありました。 ハクはシュッと動いてピタッと止まるので原画が少なくて楽チン。千尋はビクビクしてるので原画が多くて大変。
— 米林宏昌 (@MaroYonebayashi) September 19, 2020
実際に絵コンテには書いてなかったようなんです(^^;
絵コンテには「肉汁のしたたる料理をとりあげ大口におしこめ」とだけ書かれています。
バーワンは薬味、ソース、タレなどをかけて食べるので、滴るイメージもするのですが、どうでしょうか?(^^;
シーラカンスの胃袋というのはびっくりしました! ただ、絵コンテ全集には載っていないのですが、その記述は米林さんが実際に使われた絵コンテの追記でしょうか?お時間が都合できましたらカットナンバーを教えていただけたら嬉しいです☆
— くろすけ (@kurosuke4313) September 19, 2020
え、載ってなかったですか? じゃあレイアウトに書いてあったのかな?千尋では新人には宮崎監督がレイアウトを描いていたので。
— 米林宏昌 (@MaroYonebayashi) September 19, 2020
そしてこんなツイートも・・・
こんなに話題になるとは… 確たる証拠もないしただの僕の記憶でしかないですよー 「シーラカンスの胃袋という説も…?!」 くらいに考えといてもらった方がロマンがあっていいでしょう? やはりあれは餅巾着ではなくて何かわからない変なものの方が良いですよね^ ^
— 米林宏昌 (@MaroYonebayashi) September 19, 2020
米林さん自身も「シーラカンスの胃袋という説」程度の認識で、ハッキリとしたことはわからないようですね。
鳥山明先生の「シーラカンス実食レポ」
また、40年ほど前に鳥山明先生が「シーラカンス」を食べていましたが、「胃袋」ではなく「肉と卵」だったようです。
『週刊少年ジャンプ 1983年7月25日号』より。鳥山明がシーラカンスを食べるという企画で、堀井雄二は構成を担当しています。ドラクエ1の発売の3年前で、堀井×鳥山の初タッグです。ドラクエの起源はシーラカンスだったのだ。 pic.twitter.com/hp4PS0IXH3
— ヌラ (@ton_nura_coffin) May 22, 2016
その際の感想は・・・
シーラカンスの肉:「カニの肉をもっと薄味にしたような感じ」
シーラカンスの卵:「気持ちわるいすね~。生臭くて、味もイマイチかな。もぐもぐ」
全然おいしくなさそうでした(^^;
シーラカンスの胃袋➡子羊の胃袋(ハギス)説
さらに、「子羊の胃袋説」もあるんですよね(^^;
絵コンテでは子羊の胃袋 pic.twitter.com/zJyYjGV2K7
— 巳蛇 (@kvD3OuPj1unQFPx) September 19, 2020
先ほどの「絵コンテ」(上のツイートには絵コンテとありますが、スタジオジブリレイアウト展の図録です)には書かれていませんでしたが、「スタジオジブリレイアウト展の図録」の部分の拡大した画像を良く見ると・・・
『中に汁気たっぷりの具がつまっていて外の皮はやわらかくまるでトロトロの小羊の胃袋のよう』 と書いてあります。
ちなみに羊の胃袋料理です↓
※「羊の胃袋」はカシュガル(中国の一番西にある小さな街。ウイグル自治区の西の端)の名物である小料理のひとつとされています。
ゆでた羊の胃袋は細かく切って皿に盛り、例のごとくラー油や黒酢、 ニンニクしょうゆなどのたれをかけて、しこしこと食べます。 出典:http://seiikicn.livedoor.blog/archives/1220690.html
なんとなく見た目は似ていますが、胃袋のみで中身はないようです。
ちなみにスコットランド料理のハギスはこちら↓
※こちらも羊の胃袋を使っていて、中に羊の内臓とオートミール(オーツ麦)などを詰めて茹でた料理。
羊の胃に肉と熱した石を詰めて加熱した料理。肉は焼肉みたいな味、スープがたっぷり出てるのに焼いた肉の味。不思議。胃袋もいただきました。 pic.twitter.com/zvF31k2kTz
— chimey (@chimey) August 9, 2016
こちらのほうが中身もつまっていて似ていますよね。でも、「胃袋のよう」とあるので、やはり違うと考えられます。押し込んで食べられるような感じでもありませんし(^^;
となるとやはりバーワン説が正しいのか?謎が謎を呼びますね。
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また、宮崎監督は原画よりも3倍ほどプルンプルンに修正して書いていたともあります。
どうやら絵コンテには書いてないようです…宮崎監督が描かれたレイアウトに書いてあったのかなあ?ちなみに原画よりは3倍くらいプルンプルンに修正された。
— 米林宏昌 (@MaroYonebayashi) September 19, 2020
監督が何かをヒントに想像して作り出した食べ物と考えた方が良いでしょうか。
「千と千尋」本当にシーラカンスの胃袋だったのか!?画像を比較!まとめ
今回は「シーラカンスの胃袋」について、画像を比べて見たり、改めて調べてみました。
ですが、「シーラカンスの胃袋」と確証できるものはなく、やはり真相はわかりません(^^;
宮崎監督は実物を見たことがあるのか、そして食べたことがあるのか? 調べれば調べる程、あの料理の正体がなんなのか・・・謎が深まるばかりです(^^;
でも、映画が公開されて何年もたっている今でも話題となるのは、やはりジブリならではないでしょうか。
先ほども米林さんのツイートをご紹介しましたが、
「シーラカンスの胃袋という説も…?!」
くらいに考えといてもらった方がロマンがあっていいでしょう?
やはりあれは餅巾着ではなくて何かわからない変なものの方が良いですよね^ ^
と仰っていますし、『千と千尋の神隠し』の世界の中だけにある「珍食材」として、そういう食べ物なんだと結論付けても良いのかもしれませんね。
おそらく宮崎監督だけは正体を知っているのでしょうが、あれだけ「何かわからない変なもの」を「おいしそうで魅力的な食べ物」として描けるジブリの凄さを改めて実感できた気がします(^^♪