ボッチャは、パラリンピックならではの競技ですよね!
1984年ニューヨーク・アイレスベリー大会からパラリンピックの正式競技として行われていて、重度の脳性麻痺や同程度の四肢機能障がい者が競い合える競技としてヨーロッパで考案されたスポーツです。
男女別に行われるのではなく、障がいの程度によってクラス分けをして順位を争う「球技」となっています。
見た目的には、激しく動くスポーツというよりも、カーリングに近いものがあり、知的な戦略とそれを実行するための技術力、集中力がこの競技では求められます。
前回のリオ大会では、日本代表は銀メダルを獲得していますし、今回は金メダル獲得なるか注目の競技です!
そこで、今回はこのボッチャの団体戦(男女共通チーム)のルールや日程、日本代表選手もご紹介したいと思います。
ボッチャとは?
競技名の「ボッチャ」は、イタリア語で”ボール”を意味する単語が由来とされていて、「地上のカーリング」とも言われています。
ジャックボールと呼ばれる白いボール(目標球)を投げた後に、対戦する両者が交互に赤と青のボールを6個ずつ投げたり、転がしたりして、いかに多くのボールをジャックボールに近づけるかを競い合います。
そして、相手のボールを弾いたり、押しのけることで、自分のボールの位置取りを優位にしていきます。
また、ジャックボールも弾いたりして動かすことが出来るので、カーリングとは一味違った面白さもあります。
手で投げることのできない選手は、足で蹴ったり、あるいは競技アシスタントのサポートを受けながら「ランプ」と呼ばれる投球補助具(勾配具)を使うことで、ボールを転がすことが出来ます。※「ランプ」は主にBC3クラスの選手が使用します。
近年では障がいの有無に関わらず、老若男女、誰でも楽しむことができるスポーツとしても人気になっていますよ。
ボッチャのクラス分け
ボッチャのクラス分けは以下のようになっています。
団体戦(チーム戦)の人数ですが、BC1クラスとBC2クラスの障がいを持つ3名(そのうち1名以上がBC1クラス)で1チームとなり、対戦が行われます。
ちなみに、上記の表を見ると分かりますが、ペア戦にはBC1クラスとBC2クラスの選手は出場できません。
また、団体戦(チーム戦)にはBC3クラスおよびBC4クラスの選手は出場できません。
ボッチャ団体戦の日程や参加国は?
ボッチャの団体戦の日程ですが、以下のようになっています。
【会場】:有明体操競技場
- 予選:9月2日(木)~3日(金)
- 準決勝/3位決定戦/決勝:9月4日(土)
それぞれ競技の開始時間は、午前9時30分~となっています。
予選は総当たり戦となりますが、準決勝へはそれぞれのグループの上位2チームが進出。
そして、9月4日(土)に準決勝(2試合)・3位決定戦・決勝と行われます。
- 準決勝:午前9時30分~
- 3位決定戦:午後0時10分~
- 決勝:午後7時10分~
予選は2つのグループに分かれて行われますが、それぞれのグループの参加国は以下の通りです。
【グループA】
- タイ (1位)※世界ランキング1位
- 中国 (5位)
- RPC(ロシアパラリンピック委員会)
- イギリス (8位)
- アルゼンチン (4位)
【グループB】
- 日本 (2位)
- ブラジル (6位)
- 韓国 (12位)
- ポルトガル (3位)
- スロバキア (10位)
国名の右隣のカッコ内の数字は、前回のリオ大会での成績です。※RPC(ロシアパラリンピック委員会)は出場していませんでした。
前回のリオ大会では、予選はA~Dの4つのグループに編成、それぞれ3チームずつの総当たり戦で行われ、各グループで上位2チームが決勝リーグへと進みました。
今回の東京大会は、前回よりも2チーム少ないため、準々決勝はないようですね。
ですが、リオ大会での金メダルを獲得したタイを始め、上位国は出場してきていますので、面白い戦いとなるのではないでしょうか?
ボッチャ団体戦のルールは?
それでは、競技のルールを見ていきましょう!
ボッチャ コートの大きさ
バドミントンコート大(12.5メートルx6メートル)の平面のコートを使います。
ちょうどコートに関しては、参考になる図があったので、上記を見てもらえるとわかりやすいかもしれません。
ボッチャ 使用するボール
使用するボールは、選手個人が所有する「マイボール」となっています。
大きさや重さは規定で決まっていて、範囲内(重量:275g±12g以内、周長:270㎜±8㎜以内)のボールを使います。
同じ赤・青のボールでも微妙に違う色をしていたり、硬さや材質が違うことがありますが、選手は障がいの特性やプレースタイルによってボールを使い分けているそうです。
ちなみに、使われているボールの種類は、主に
- 天然皮革製:ボールに凹凸が少なく、まっすぐ転がりやすいのが特徴
- フェルト製:表面が毛羽立っているので滑りやすく、ボールを弾く時など向き
- 人工皮革製:表面がしっとりとしていて滑りにくく、ボールの上にボールを乗せたい時など向き
となっています。
ただし、大会前には必ず競技備品検査が行われ、検査に適することができなかったボールは試合に使用することができません。
ボッチャ 試合の流れ(得点方法)
簡単に試合の流れをご紹介します。
1:両選手(ペアやチーム)が6個ずつのボールを使用
2:先攻側が的となるジャックボールを投げ、続けて1投目の投球を行う
- 試合開始となる第1エンドは常に赤ボールが先攻となる(以降、偶数エンドは青ボール、奇数エンドは赤ボールが先攻)
- ジャックボールを無効エリアで静止させてしまう、またはサイドラインやエンドラインを超えて投球してしまうと反則となり、相手にジャックボールを投げる権利が移動する
3:後攻側が1投目の投球を行う
4:それ以降は、ジャックボールからより遠い位置にボールを投げた側の選手がその次の投球を行う
5:赤、青ともに6球ずつを投げた時点で得点を計算する
得点の数え方は、上記の図を参照。
この一連の流れを1エンドとして、団体戦(チーム戦)は6エンドを行います。
6:同様の形式で各エンドを戦い、点数をつけていく
ボッチャ団体戦の日本代表選手は?
団体戦の日本代表選手一覧です。
杉村 英孝(すぎむら ひでたか)
- 生年月日:1982年3月1日
- 出身地:静岡県
- クラス:BC2(脳性まひ)
- 利き手:左下投げ
- 世界ランキング:BC2個人2位
廣瀨 隆喜(ひろせ たかき)
- 生年月日:1984年8月31日
- 出身地:千葉県
- クラス:BC2(脳性まひ)
- 利き手:左下投げ
- 世界ランキング:BC2個人23位
藤井 友里子(ふじい ゆりこ)
- 生年月日:1972年12月1日
- 出身地:富山県
- クラス:BC1(脳性まひ)
- 利き手:右上投げ
- 世界ランキング:BC1個人19位
中村 拓海(なかむら たくみ)
- 生年月日:1998年7月6日
- 出身地:大阪府
- クラス:BC1(脳性まひ)
- 利き手:右上投げ
- 世界ランキング:BC1個人9位
2018年の世界選手権でも銀メダルを獲得しているメンバーです。
是非リオ大会の雪辱を果たしてもらいたいですね!
ボッチャの健常者のルールは?
ここでちょっと番外編として、健常者の場合のルールはどうなっているのかご紹介したいと思います!
ボッチャとは?のところでも書きましたが、ボッチャは誰でもできるスポーツで、老若男女問わずに楽しめます。
そのため、基本的なルールを見てみると、障害者も健常者も同じで、投げたボールをジャックボールに近づけることが目的ですが、パラリンピック等の国際大会でのルールは時間制限があったり、反則にはペナルティーがあったりと厳しいルールがあります。
しかし、誰でも楽しめるようなレクレーション的なボッチャの場合は、反則の数を減らしたり、ペナルティーをなくしたりと、どんな方でも参加しやすいルールとなっていることが多いです。
つまり、大まかなルールは公式に合わせ、細かいルールは自分達で自由に決めるということですね。
健常者と障害者が一緒になってできるスポーツなので、ルールは難しくはありませんし、ハンデも基本的にはありません。
運動能力だけではなく技術と頭脳の勝負となるのが、ボッチャ。
興味ある方は、是非トライしてみてはいかがでしょうか?
まとめ
今回は、ボッチャの団体戦(チーム戦)のルールや日程、日本代表選手もご紹介してきました。
前回のリオ大会では、「銀メダル」とあと一歩のところだったので、今回は是非「金メダル」を獲得してもらいましょう!
最大のライバルである世界ランキング1位のタイは、予選では別のグループになったので、まずはしっかりと予選を勝ち抜き、決勝で金メダル争いをしたいところです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。