衆議院議員総選挙は、衆議院議員の任期満了(4年)によるものと、衆議院の解散によって行われるものの2つに分けられます。
前回の総選挙は、当時の安倍首相が2017年9月28日に衆議院を解散し、10月22日に投開票が行われました。
ですが、今回の第49回衆議院議員総選挙は、菅首相が総裁選不出馬を表明したことで、自民党の総裁選もあるため、慌ただしくなっていますよね。
そして、現在の衆議院議員の任期が2021年10月21日に満了となるため、公職選挙法の規定によって、遅くとも2021年11月30日までに投開票が実施される予定となっています。
そこで今回は、第49回衆議院議員総選挙はいつ行われるのか?
そして、比例代表制と小選挙区制の違いなど、衆議院総選挙の仕組みを簡単にご紹介していきます!
2021 衆議院選挙の日程はいつ?
まずは2021年の衆議院選挙がいつ行われるかですが、菅首相が自民党総裁選不出馬を表明したことで、衆議院選挙の投開票が衆議院議員の任期が満了となる10月21日以降にずれ込むと予想されています。
現行の憲法下では初のケースだそうで、投開票は10月31日以降が有力と見られていますよ。
というのも、自民党は、総裁選の日程を「9月17日告示、29日投開票」と決定しているため、29日に新総裁を選出し、その後に首相を指名する臨時国会が召集されることになっているからです。
ちなみに、最初にも触れましたが、衆議院選挙は「任期満了によるもの」と「衆議院解散によるもの」の2通りに分けられますが、それぞれから投開票の時期を見ていきます。
任期満了による総選挙
公職選挙法では、任期満了に伴う衆議院選挙については、国会が開かれている場合は閉会日翌日から24日~30日の間に投開票を行うと規定されています。
そのため、国会が9月30日以降に召集されると、任期満了前の最後の日曜日となる10月17日には間に合いません。
また、その翌週の10月24日に投開票をする場合は、9月30日に直ちに国会を閉会する必要があるため、新首相による組閣などを考慮すると現実的ではないとされています。
それらを踏まえると、任期満了による総選挙の投開票の日程は、
- 最も早い投開票:10月31日(日)
- 最も遅い投開票:11月14日(日)
となりそうです。
衆議院解散による総選挙
次は、衆議院解散による総選挙となった場合を見ていきます。
新しい首相が就任後に間を置かずに衆議院を解散する場合、早くて「10月5日に公示、17日に投開票」も可能だそうです。
ですが、これまで解散後から投開票までの最短の日数は20日間だそうで、自治体の準備等にそれなりの期間が必要となるため、「10月5日に公示」となると時間的に厳しく、不可能だそうです。
また、投開票を24日とした場合も日程的には窮屈となってしまうため、現実的な投開票は早くても10月31日以降と予想されています。
解散による投開票は、先ほどの上記の図の「解散の翌日から40日以内」との規定があるので、衆議院の任期満了日となる10月21日に解散となれば、最長で11月28日を投開票とすることもできます。
解散による投開票をまとめると、
- 最も早い投開票:10月31日(日)
- 最も遅い投開票:11月28日(日)
となります。
2021 衆議院選挙の仕組みは?
衆議員選挙の日程がいつなのか、ある程度予想がついたところで、今度は仕組みを見てみます。
衆議院選挙は、簡単に説明すると、候補者を選ぶ小選挙区と、政党や政治団体を選ぶ比例代表からなる「小選挙区比例代表並立制」の制度で行われます。
小選挙区比例代表並立制とは?
小選挙区制と比例代表制を組み合わせた選挙制度で、有権者は小選挙区の候補者名と比例代表区の政党名をそれぞれの投票用紙(2枚)に書いて投票します。
「小選挙区」では当選者以外の票数が無駄になってしまうということから、得票数に応じて当選者を選ぶ「比例代表」と組み合わせた選挙方式となっています。
衆議院議員の総定数は「475」で、内訳は小選挙区で「295」、比例代表で「180」となっています。
小選挙区
小選挙区は、全国を495の選挙区に分け、それぞれの選挙区から1人ずつ選ぶことになるので、当選者は1選挙区ごとに1人のみ。
最多得票の1人が当選となります。
- 長所:選挙区が比較的狭いため、選挙費用が低く抑えられ、きめの細かい選挙運動が可能。また、大政党に有利で、政権が安定しやすい。
- 短所:死票が多くなり、少数意見が反映されにくい。
比例代表
比例代表は、全国を11ブロック(北海道/東北/北関東/東京都/南関東/北陸信越/東海/近畿/中国/四国/九州・沖縄)に分け、政党・団体のブロックごとの得票数に応じて「ドント式」と呼ばれる計算法で議席が配分されます。
【当選までの流れ】
- 政党・団体は、それぞれのブロックに複数の候補者を立て、有権者は政党・団体に投票する。
- 得票数に応じてブロックごとに各政党・団体の議席数が決まる。
- 各政党・団体は比例代表名簿を作り、予め候補者に順番を付けておき、獲得した議席数の数だけ名簿に付けられた順番に当選者が決まる。
- 長所:死票が少なくなり、少数意見が反映されやすい。
- 短所:小政党が分立し、政権が不安定になりやすい。
【ドント式とは?】
ベルギーの法学者ドントが考え出した議席割り当てのための計算方式。
- 各政党の得票数を1,2,3・・・の整数で割ります。
- 一人当たりの得票数が多い順(割り算の答えの大きい順)に、各政党の議席が配分されます。
- 通常、各党の当選者は、比例代表名簿への登載者の上位から決まっていきます。
※引用:静岡県総合教育センター
2021 衆議院選挙 重複立候補で復活当選も
政党に所属している候補者であれば、小選挙区と比例代表の両方に立候補することも出来ます。
「重複立候補」といって、例えば、小選挙区で落選したとしても比例代表で「復活当選」となる可能性があるんです。
復活当選の基準は?
各党ごとに、事情によってどうしても当選させたい人がいる場合、比例代表名簿の上位に名前が書かれますが、大政党では多くの候補者が同列で1位となることがあります。
その場合の当選の順番は、小選挙区での「惜敗率」で決まるそうです。
例えば、2つの小選挙区(①と②)でそれぞれ①A・B②C・Dの候補者(BとDは同じ政党)がいたとします。
【小選挙区での結果】
①A候補:10万票→当選/B候補:8万票→落選
②C候補:20万票→当選/D候補:8万票→落選
B候補とD候補は別々の選挙区ですが、政党は同じであるため、党内での議席数が「1」となっている場合の「復活当選」は、小選挙区での「惜敗率」でどちらが当選かを見ます。
- B候補→8万票/10万票=80%
- D候補→8万票/20万票=40%
B候補が80%でD候補よりも「惜敗率」で上回っていることから、「復活当選」はB候補になります。
まとめ
今回は、2021衆議院議員総選挙の日程や比例代表制と小選挙区制の違いなど、衆議院総選挙の仕組みを簡単にご紹介してきました。
筆者自身も衆議院選挙に関しては、いまいち分かり辛いところもあったので、実際に自分でまとめてみると、今までよりも少し理解が深まった気がします・・・(笑)
少しでも皆さんの参考になればと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。